海外FX初心者

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FXでもファンダメンタルズを分析することで、長期トレンドを捉えることが可能です。分析の際には信頼できる情報源が必要ですが、近年ではSNSなどの発達により、情報の取捨選択はいっそう難しくなっているといえるでしょう。
ファンダメンタルズ分析の情報源としては、経済指標カレンダーや各国中央銀行のHP、そしてニュースや海外FX業者の発信するレポートなどが参考にできます。
この記事では、ファンダメンタルズ分析の概要や、信頼性のある情報源を分かりやすく解説します。過去の相場動向とファンダメンタルズの関係なども見ていくので、ぜひ参考にしてみて下さい。
FXのファンダメンタルズ分析とは?
最初は、FXのファンダメンタルズ分析の概要や、ファンダメンタルズが値動きに影響した過去の例を見ていきましょう。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズは、日本語では「経済の基礎的条件」と訳されます。しかしひと言で「ファンダメンタルズ」といっても、その分類や内容は多岐にわたります。
ファンダメンタルズの主な分類と内容
分類 | 内容 |
政治 | 政策、金融政策、選挙結果などによる影響 |
経済 | 経済指標、金利、雇用、貿易などによる影響 |
商品相場 | 原油、商品、金などの価格変動による影響 |
地政学的リスク | 戦争や政情不安による影響 |
自然災害・その他環境要因 | 自然災害やパンデミックによる影響 |
政治 |
政策、金融政策、選挙結果などによる影響 |
経済 |
経済指標、金利、雇用、貿易などによる影響 |
商品相場 |
原油、商品、金などの価格変動による影響 |
地政学的リスク |
戦争や政情不安による影響 |
自然災害・その他環境要因 |
自然災害やパンデミックによる影響 |
上記はあくまで一例です。極端にいえば、世の中のあらゆる事象がファンダメンタルズとして為替や株の相場を動かす要因になるといえるでしょう。
そのため、ファンダメンタルズを分析し、将来の相場がどのように動くのかを予想することは、FX取引において有効であると考えられています。
ファンダメンタルズがFX取引に影響した実例
ファンダメンタルズは実際に相場やFX取引に影響を与えていますが、2000年代に入ってからは数年単位でトレンドの移り変わりが見られます。以下は、ファンダメンタルズがFXなどの相場に影響を与えた代表例をまとめたものです。
ファンダメンタルズによる値動きへの影響
時代ごとに発生するトレンドの背景にはファンダメンタルズ要因があった、と考えて良いでしょう。しかしその影響は、超長期にわたって相場に存在するとは限りません。例えば、アベノミクスによる円安は2012年〜2015年頃までといわれており、それ以降は時代ごとにファンダメンタルズのトレンドも移り変わっています。
このように、世界の政治・経済情勢によって、FX取引も影響を受けます。ファンダメンタルズを把握して収益チャンスを増やしたり、反対に損失リスクを回避したりするためには、世界の経済情勢に向けてアンテナを張っておくことが重要です。
相場急変に備えるには、海外FXがおすすめ
ファンダメンタルズが要因となる瞬間的な値動きは、市場リスクになる場合があります。
例えばスイスフランショックのような予期しない瞬間的な暴騰や暴落は、一般のFXトレーダーが事前に対策を取ることは難しいでしょう。もし相場急変に遭遇してしまった場合は、大きな損失が出るリスクがあります。
以下は、スイスフランショック時のUSDCHF(米ドル / スイスフラン)の1時間足チャートです。
スイスフランショックのような相場急変へのリスク対策として、ゼロカットを行っている海外FX業者を利用することは有効な手段です。ゼロカットとは、口座の証拠金を超える損失が発生しても、マイナス残高分を海外FX業者が負担する仕組みのことです。トレーダーは入金額を超える損失を負うリスクなくFXトレードが可能になります。
ゼロカットの実績豊富な海外FXとして挙げられるのが、XMTrading(エックスエム)です。XMでは、スイスフランショック時にもマイナス残高に対してゼロカットを実施しており、万一の際にも安心してトレードできるでしょう。
FXのファンダメンタルズ分析の情報源
近年ではSNS等を通じてさまざまな情報を得られるようになりました。しかし、誤った情報が拡散されてしまったり、意図的なデマやフェイク情報が流されたりすることも珍しくありません。そのため、ファンダメンタルズ分析を行う際は、信頼性の高い情報源を選ぶ必要があります。
FXのファンダメンタルズ分析を行う際は、主に以下の情報源が参考になります。
ファンダメンタルズ分析の主な情報源
- 海外FX業者などの経済指標カレンダー
- 各国中央銀行のHP
- 信頼性のあるメディア
- 海外FX業者や専門家等によるレポート
海外FX業者などの経済指標カレンダー
経済指標発表や要人発言は、突発的な値動きを引き起こしたり、トレンドの起点になったりする場合があります。そのため、ファンダメンタルズ分析を重視するトレーダーだけでなく、ファンダメンタルズによる値動きを避けたいトレーダーにとっても確認が必要といえるでしょう。
経済指標発表や要人発言のうち、多くのものはあらかじめスケジュールが決まっており、海外FX業者公式サイトなどで確認できます。例えば、海外FX業者のXMでは、「経済指標カレンダー」のページで、各国の経済指標発表を始めとしたイベント予定を確認できます。
経済指標カレンダーでは非常に多くのイベントが確認できるため、参考にする際は自分が取引する銘柄に関連する国や、重要度で絞り込むと良いでしょう。例えばドル円を取引するなら、米国はもちろん日本の経済指標も確認し、ポンド系通貨ペアを取引するなら英国の経済指標を確認する、などが考えられます。
どんな経済指標に注目すべき?
経済指標カレンダーで注目すべき指標発表にはいくつかありますが、ここでは重要な3項目をご紹介します。
注目すべき経済指標
- 米国雇用統計
- FOMC
- 消費者物価指数(CPI)
米国雇用統計とは、アメリカの雇用の状況を詳しくまとめた重要な経済指標です。雇用者の数や失業率、給料の変化、労働時間など、さまざまな項目が発表され、市場に最も影響力のある指標の1つとなっています。
FOMCとは、アメリカの政策金利を決める重要な役割を持つ、FRBの中心的な組織です。特に、景気が回復しているときや政策金利調整への期待が高まっているときに注目され、指標発表とともに議長発言の影響力も大きい特徴があります。
消費者物価指数(CPI)とは、物の値段の変動を示す指標で、インフレやデフレの判断に使われる重要な経済データです。FXでも注目度の高い指標で、大きな価格変動をもたらすことが珍しくありません。
各国中央銀行のHP
各国中央銀行のHPでは、金利政策や記者会見、講演録等を確認することができます。
主要な中央銀行
各国中央銀行では、公式サイトだけではなく公式SNSによる情報発信も行っている場合もあり、信頼性の高い情報源として活用できます。
しかし、発信されている情報は幅広い上に専門性も高いため、どの情報を確認するかをある程度絞るほうが良いかも知れません。例えば、金利政策に関する内容だけをチェックしたり、要人発言の確認に使ったりすることで、情報源として活用しやすいでしょう。
噛み砕かれた形で情報を入手したい場合は、次にご紹介するメディアからの情報を参考にする方法がおすすめです。
信頼性のあるメディア
値動きに関係する政治経済のニュースは、テレビや新聞などのマスメディアの他、ロイター通信やブルームバーグなどでも確認できます。
ロイター通信はイギリスに本社を置く世界的通信社です。政治経済のニュースだけでなく、スポーツなども扱っており、世界で今話題になっている出来事を確認できます。
ブルームバーグはアメリカに本社を置く情報サービス会社です。ロイター通信と比較すると政治経済のニュースに特化したメディアです。
主要メディアは、公的機関の発信する情報と比較すると信頼性は落ちますが、情報の速報性や拡散力に特徴があります。ファンダメンタルズ分析を行う際は、注目したい情報源です。
海外FX業者や専門家等によるレポート
中央銀行や主要メディアによる情報は、ファンダメンタルズ分析に使う前の「判断材料」のような形で提供される場合があります。ファンダメンタルズ分析に慣れていない人にとっては、情報を得ても扱い方が分からない場合があるかも知れません。
そうした際に活用したいのが、海外FX業者や専門家等による相場レポートです。こうしたレポートは、取引の判断を示唆する内容を含むわけではありませんが、より直接的にファンダメンタルズ分析を助ける情報源として役に立つ場合があります。
例えば海外FX業者のFXONでは、公式サイト内にある「トレーダーズマーケット」で、毎日更新の「相場レポート」や、1週間のまとめを行う「FXON流 マーケット分析」を行っています。
FXONの相場レポートでは、その日の相場で注目すべきポイントを絞り、コンパクトに伝えているため、仕事や家事で忙しい人でも利用しやすいメリットがあります。ファンダメンタルズ分析に興味のある方は、まずはFX業者の相場レポートを情報源として、相場への理解を深めていってはいかがでしょうか。
ファンダメンタルズだけでFXは勝てる?
ファンダメンタルズ分析は相場動向を判断するために有力な方法ですが、だからといって「ファンダメンタルズ分析だけしておけば勝てる」とはいえません。なぜなら、ファンダメンタルズ分析にはデメリットもあるからです。
ここからは、ファンダメンタルズ分析のメリットとデメリット、そしてファンダメンタルズ分析が有効な場合と必須ではない場合について解説します。
ファンダメンタルズ分析のメリット・デメリット
ファンダメンタルズは長期トレンドの要因になる場合が多いため、分析手法としては以下のようなメリットがあります。
1. | 根拠を持って長期的なトレンドを捉えられる |
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2. | ファンダメンタルズで相場動向を判断し、エントリータイミングはテクニカルで行う、などのトレードスタイルも可能 |
3. | 銘柄の潜在的なリスクを把握し、不要な損失を回避できる |
一方で、以下のようなデメリットもあるため、ファンダメンタルズ分析だけでトレードすることは容易ではありません。
1. | 具体的なエントリーや決済のタイミングを取ることが難しい |
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2. | 短期的な値動きを捉えることに向かない |
3. | 相場動向は価格に折り込み済みである場合があり、チャート分析だけでもトレードができる |
4. | 指標発表の結果と値動きが結びつかないなど、データや出来事から市場心理を分析することは難しい |
ファンダメンタルズ分析には、それだけでトレードすることが難しいだけでなく、短期的には効果が限定的であるという注意点もあります。ファンダメンタルズ分析のメリットとデメリットを理解し、トレードスタイルに応じて使い分けることが重要です。
ファンダメンタルズ分析は長期トレード向き
ファンダメンタルズ分析が活躍するのは、主に数年単位の長期的な取引です。例えば、2022年頃からの円安ドル高のトレンドは、「日米の金利差拡大」という比較的分かりやすい判断材料がありました。
そこに何らかのテクニカル指標によって押し目を判断できた場合は、「ドル円をロングし、ポジションはホールドする」のような長期戦略が立てやすかったかも知れません。
熟練したトレーダーでない限り、ファンダメンタルズ分析だけでは、トレードタイミングの判断は容易ではありません。エントリーのタイミングはもちろん、損切りや利確のタイミングを取ることもファンダメンタルズ分析は苦手なので、テクニカル分析と併用したほうがトレードしやすいでしょう。
短期トレードにファンダメンタルズ分析は必須ではない
スキャルピングやデイトレードなど、短期的かつ投機的な値動きを狙うトレードの場合は、ファンダメンタルズ分析は必須ではなく、テクニカル分析の重要性がより高いといえます。テクニカル分析のプロトレーダーの中には、「ファンダメンタルズは一切考慮しない」としている人もいるほどです。
また、ファンダメンタルズに関連する短期トレードには、経済指標発表を狙ったトレードも含まれます。短時間で大きな値幅を作ることもあるため、魅力的なトレードチャンスに見えるかも知れません。
しかしそうしたタイミングは、スプレッドの拡大や約定力の低下が発生しやすいリスクがあります。またテクニカル通りにレートが動くわけではなく、逆行したり、乱高下したりなどの特徴もあるので、取引の難易度は高いといわざるを得ないでしょう。
個人投資家は最新ニュースを入手しにくい
要人発言で相場が動くこともファンダメンタルズに含まれます。しかし、個人投資家ではどうしても最新のニュースを手に入れるまでに時間がかかってしまう点には注意が必要です。往々にして、FX相場は経済指標発表前に予想数値を折り込んでいきますから、より重要視されるのは要人のコメント内容になることがあります。トレーダーがニュースの内容を知る前に相場が先に動き出してしまい、乗り遅れてしまうことが珍しくありません。
適切な情報源からファンダメンタルズ分析を行おう
ファンダメンタルズ分析は有効な相場分析方法ですが、行う際は信頼できる情報源を利用する必要があります。
情報源を選定するのはもちろんのこと、ネットで書かれている情報を鵜呑みにして売買決定を行うことは避けるべきです。例えば、「金利差拡大の今、ドル円を買わないと損」のような文句をインターネット上で見かけたとしても、一度立ち止まって、情報の信憑性や実際の売買タイミングを考慮することが必要でしょう。
ファンダメンタルズ分析はテクニカル分析とは異なり、明確なエントリーポイントや決済ポイントを判断することに向いていません。取引を行う際は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を併用し、両者の長所を生かしたトレード戦略を立てることが有効でしょう。
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政治経済のイベントにはさまざまなものがありますが、特に注目すべきは、米国に関係する経済指標や要人発言です。米国が持つ世界経済への影響力は非常に大きく、例えば、毎月第1週金曜日にある米国雇用統計の発表時は、多くの銘柄で通常時とは異なる値動きが見られます。