ATRとは、過去の一定期間の相場のボラティリティ(価格変動幅)の平均を表示するテクニカル指標です。「Average True Range」の略語で、日本語では「真の値幅の平均」と訳され、直近の相場変動がどれくらいの値幅になっているかや、その傾向を知ることができます。相場の上昇・下降にかかわりなく、変動幅が大きくなれば数値が上昇します。
ATRの特徴は、多くのテクニカル指標のように売買サインを発するのではなく、利益確定や損切りを行うレートの設定に用いられることです。
日足で説明すると、ATRの計算式に用いるのは、前日の終値と当日の高値・安値のみです。「当日高値-前日終値」「当日高値-当日安値」「前日終値-当日安値」の中で最大の値幅のものを、「真の値幅」を意味するTR(True Range)とし、そのTRを指数平滑移動平均化したものがATRです。
ATRは、相場が上昇・下降のどちらの方向性であっても、大きく動いたときに数値が上昇します。その反対に、レンジ相場が続いていて変動が小さい場合は、ATRが低下します。このため、相場がトレンド局面なのかレンジ局面なのかを察知するのに役立ちます。また、ATRが上昇しているときは相場が大きく動いている局面であり、そのときは普段よりも大きな値幅で利益確定や損切りのレートを設定するといった使い方ができます。
ATRの数値は、「ここ数日の傾向から、今日はこれくらい動くだろう」という値幅です。したがって、既にポジションを保有している場合は、ATRを参考に相場がどこまで進むかを予測して、利益確定の目標を設定したり、損切りの目安にしたりすることができます。例えばATRの等倍、あるいは1.5倍、2倍を利益確定の目標にしよう、という戦略の立て方に利用されます。ATRは単に値幅を表示するものですが、現在レートにATRを加えたラインを表示するインディケータもあり、こうしたインディケータを使用すれば、より分かりやすく視覚化を行うことができます。
読み方
えーてぃーあーる
同意語
アベレージ・トゥルー・レンジ