原油とは、プランクトンや藻などの死骸が海底や湖底に堆積し、化学変化することによって生まれた天然資源のことです。ガソリン、灯油、軽油、重油などの石油製品の元になっている他、プラスチックや合成ゴム、合成繊維、塗料などの主原料にもなっています。現代の生活にとって欠かすことのできない大切な資源であり、投資商品としても活発に先物取引が行われています。
よく用いられる原油価格の指標には、ブレント原油(英国北海油田)、WTI原油(米国油田)、ドバイ原油があります。原油価格は、主に以下の4要素の影響を受けながら市場で決まります。
- 石油輸出国機(OPEC)の合意と加盟国の供給
- OPEC非加盟国の供給
- 実需・供給バランスの予測
- 投機筋など金融市場の動向
過去を振り返ると、1973年には原油価格高騰による「オイルショック」が起こり、日本は狂乱物価に苦しみました。また、現代日本の経済も原油価格とは深い関係があります。日本銀行の物価目標(物価上昇率2%)を判定する指標であるコアCPIには原油価格も含まれており、その上下動によって金融政策が左右される側面もあるのです。そのため、為替レートや株式市場にも影響が及んでいきます。
2020年の春、新型コロナウイルスのパンデミックが欧米諸国をロックダウンに追い込み、金融市場を経済ショックが襲いました。その最中、4月20日のWTI原油先物価格(5月物)が1バレル当たりマイナス37.6ドルに下落しました。世界経済の停滞により、一時的に需要が激減し、原油が大量にだぶつきました。供給者は売り先のない原油の保管コストに苦しみ、お金を払ってでも引き取ってもらいたいという状況に陥ったのです。ただし、これは5月を期限とする先物に限った話で、それ以降は世界経済が恐怖から解放されるにつれ、原油先物価格は回復していきました。
読み方
げんゆ