金融危機とは、景気の悪化などをきっかけに大規模な債務不履行や社債・国債の償還不能(デフォルト)、株価の大幅下落などが起こり、ダメージを受けた金融機関の経営悪化や倒産が連鎖的に発生して、金融システムが危機的な状況に陥ることをいいます。
近年では2008年、米国のサブプライムローンの信用力低下によって起こったリーマンショックと、それに端を発した世界同時不況、1997年にタイとインドネシア・韓国・マレーシア・フィリピンなどアジアの新興国で連鎖的に起こったアジア通貨危機などが、金融危機として記憶に新しいところです。
金融危機がひとたび起こると、資産価格の下落により企業が抱える負債の担保力が減少し、幅広く貸しはがしや貸し渋りが起こります。これが「信用収縮」の状態です。金融機関からの金回りが悪くなると実体経済を支える企業の資金繰りが悪化し、連鎖的に経済が悪化していきます。経済成長の停滞・後退は企業の稼働率を低下させ、一時帰休や人員削減の圧力を生み失業率を上昇させます。民間給与の削減は消費の悪化と企業の投資手控えを招き、それがさらなる経済成長の鈍化につながるスパイラル的な悪化の様相を呈していきます。
金融危機による経済の長期低迷を防ぐため、政府と中央銀行は協調して大規模な対策を打ち出します。中央銀行は利下げと金融機関の資金繰り支援を行い、それでも不足する場合は市場に出回る国債や社債を大規模に購入し資産価格の維持を図ります。政府は緊急に財政支出を増額し景気浮揚に努めると共に、傷んだ金融機関に不良債権の整理を迫りつつ経営改革を促し、必要があれば公的資金投入へと進むことになります。
読み方
きんゆうきき