高頻度取引(High Frequency Trading、HFT)とは、コンピューターを駆使して、所定のアルゴリズムに沿った超高速・高頻度の取引を自動で行うことを指します。1秒間に数千回の取引を行うこともあるほどで、人間には再現できない売買ロジックにより、相場から利益を得ることを目指します。金融工学やAI(人工知能)の進化と共に、その存在感を強めてきました。
2015年1月の日銀レビュー(外国為替市場におけるヘッジファンド:市場構造や価格形成へのインプリケーション)によれば、高頻度取引は市場参加者の癖などをプロファイリングし、電子取引システムや取引所間の情報共有にかかる僅かな「時間差」を利用して、1/1000 秒単位以下のレベルでそれらの時間差よりも早く裁定取引(アービトラージ)を行うケースが多いとされています。
また、高頻度取引は、マーケットメイク戦略としても利用されます。マーケットメイク戦略とは、市場へ売りと買いの両方の注文を出しておくことで、他の投資家の取引相手となり、スプレッドを利益とする戦略です。そのため、銀行のように流動性を提供する役割を果たしているともいわれます。
高頻度取引は株式市場でも為替市場でも存在感を強めており、フラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)の要因の一つだと指摘されることもあります。
あるアルゴリズムが何らかの理由で大きなロットで取引すると、それが引き金になって他のアルゴリズムも連鎖的に同じ方向に売買する場合があります。この大量の取引によって相場が一瞬で暴騰・暴落することがあり、これをフラッシュクラッシュといいます。
2019年1月3日早朝、ドル円が数分でおよそ4円下落しました。この要因として、早朝時間帯で流動性が乏しかったこと、日本が正月休みで市場参加者がいつも以上に少なかったこと、そして、アルゴリズムによるドル円の売りの可能性が指摘されています。
また、高頻度取引をはじめとするコンピューターのアルゴリズム取引の増大により、価格の変動が抑えられ、市場のボラティリティが低下しているとも指摘されています。このように高頻度取引は、市場に多大な影響を与える存在であり、このようなプレイヤーが市場に参加していることを、理解しておく必要があるでしょう。
出典元:
読み方
こうひんどとりひき
同意語
高速取引、アルゴリズム高速取引、High Speed Trading、HST