現物とは、金融市場で売買される株式や債券などの実物のことをいいます。この実物を購入・売却する取引形式が「現物取引」です。これとは逆に、現物の引き渡しを伴わず、売り買いを行った時点での差額だけをやり取りする取引を「差金決済取引」といいます。 現物取引と差金決済取引の違いは、売りから取引を始めることができるかどうかという点です。現物取引の場合、実物を実際に購入するため、必ず「買い」から始まります。一方、差金決済取引では売りから取引を始めることも可能です。
現物取引は、株や仮想通貨(暗号資産)の取引で広く行われています。株式の現物取引を行う場合、持っている資金の範囲内で株式を実際に購入して保有します。一方、信用取引や先物取引において差金決済取引を行う場合は、株式や債券、商品等の現物をやり取りすることなく、買い建てまたは売り建てた金額と、決済した際の差額だけをやり取りします。
例えば市場が空いている時間内に、日経平均株価の先物価格と、取引所で売買される現物価格から算出される日経平均株価の数値が大きくずれることはほとんどありません。差が生まれれば、高くなった方を売り、安くなった方を買えばノーリスクで収益が得られるからです。このような取引を裁定取引(アービトラージ)といいます。
読み方
げんぶつ