海外FXテクニカル分析

「上がると思って買ったのに下がる...」「チャートを見ても何がなんだかわからない...」
FXを始めたばかりのトレーダーにとって、最初の難関がチャートの読み方です。その悩みを解決する強力な手法、それが「マルチタイムフレーム(MTF)分析」です。
複数の時間軸から市場を観察することで、より包括的な市場分析が可能となり、トレードの精度を大幅に向上させることができます。
多くの成功しているトレーダーが実際にこの手法を活用することで、より戦略的なトレードが可能です。この記事ではマルチタイムフレーム分析の基本から実践的な活用方法、おすすめのインジケーターまで詳しく解説していきます。

この記事の目次
海外FXで勝つためのマルチタイムフレーム(MTF)分析とは?
マルチタイムフレーム(MTF)分析は多くの利益を上げているトレーダーの間で広く実践されている手法です。複数の時間軸から市場を観察することで、より正確な相場判断を可能にします。
まずは、なぜ初心者は「チャートが読めない」のかを根本的な原因から解き明かし、その解決策としての「マルチタイムフレーム(MTF)分析」について詳しく解説します。
なぜ初心者は「チャートが読めない」のか
FX初心者が最初につまずくのが「チャート分析」です。多くの初心者トレーダーは、以下のような経験をしているのではないでしょうか。
よくある失敗パターン
- 「上がりそう」と思って買ったのに、すぐに下がってしまう
- チャートの動きが読めず、連続して損失を出してしまう
- 何を見ればいいのかわからず、感覚的なトレードになってしまう
なぜ初心者はチャートが読めないのでしょうか?それは、「情報過多」が主な原因です。FXトレードにおける分析材料はあまりにも豊富です。価格の動きやトレンドライン、サポート / レジスタンスライン、ニュースや経済指標など、チャートには多くの情報が表示されます。
初心者のうちはこれらの情報の中から必要な情報を見落とし、重要でない情報に惑わされてしまいます。こうした膨大で複雑なチャート情報を整理し、効果的に分析するための手法が「マルチタイムフレーム(MTF)分析」です。市場の環境認識のために必須の手法となっています。
FX相場の環境認識とは、長期・短期の時間軸やCFD銘柄の動きを総合的に分析して、相場全体の方向性やトレンドを把握することです。より高い確率でエントリーポイントを見極めるための基礎となります。
マルチタイムフレーム分析とは?
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間軸のチャートを組み合わせて相場を分析するテクニカル分析の手法です。例えば、日足チャートでトレンドを確認してから、1時間足で同じ方向性であるかを確認し、15分足でエントリーするといった方法です。
短期的な価格変動と長期的なトレンドが同じ方向を示している場合、相場全体がその方向へ動きやすくなるという性質があります。具体的には、日足チャートで上昇トレンドが確認され、同時に1時間足チャートでも上昇シグナルが出ている場合その相場は上昇しやすい傾向にあると判断できます。
「でも、複数の時間軸を見ることで、かえって情報量が増えてしまうのでは?」と心配する方もいるでしょう。しかし安心してください。マルチタイムフレーム分析は、単に情報を増やすのではありません。情報を整理し、視覚的に理解しやすくすることで、チャートを読みとく手助けをしてくれるのです。実際に分析を行うと、必要な情報量はむしろ減っていくことを実感できるはずです。
マルチタイムフレーム分析のメリット
マルチタイムフレーム分析の最大のメリットは、チャート分析の精度が大幅に向上することです。複数の時間軸からの情報を組み合わせることで、市場の動きをより正確に把握でき、より優位性のあるシグナルを見分けやすくなります。
例えば、短期の時間軸で表れたトレンド転換のシグナルが、より長期の時間軸での主要なサポートラインと一致する場合、そのシグナルの信頼性は大きく高まります。
また、一つの時間足だけを見ていると、目の前の値動きに一喜一憂してしまいがちです複数の時間軸で分析することでより俯瞰的な目線での値動きを想定できます。
さらに初心者にとって特に重要なメリットとして、取り組みやすさが挙げられます。マルチタイムフレーム分析には明確な手順があり、「長期から短期へ」という基本的な流れに沿って進めるためわかりやすい分析手法といえます。
エントリーや決済の判断に、複数の時間軸からの根拠を持つことができるため、感情的なトレードを防ぎやすくなるのもメリットです。
初めてでもわかる!マルチタイムフレーム分析の設定
マルチタイムフレーム(MTF)分析の設定方法やエントリー・エグジットポイントの判断方法を解説します。
マルチタイムフレームの設定
マルチタイムフレーム分析では上位足、中位足、エントリー足という判断基準を使います。それぞれの時間軸の考え方は次の通りです。
マルチタイムフレーム分析の時間足
上位足 | 全体的なトレンドや方向性を確認 |
中位足 | 中期的な動きを分析 |
下位足 | 具体的なエントリー / イグジットポイントを特定 |
上位足 |
全体的なトレンドや方向性を確認 |
中位足 |
中期的な動きを分析 |
下位足 |
具体的なエントリー / イグジットポイントを特定 |
基本的には上位足でこれまでの市場の方向性を確認し、次に中期トレンドでも同様の方向性であることが確認されたら最後に下位足でエントリーのタイミングを見極めます。
これらのトレンドを可視化して意識することで、より全体的な相場の流れを把握し、環境認識が容易にできるようになります。
トレードスタイル別マルチタイムフレーム分析の時間足
マルチタイムフレーム分析で使用する時間足は、トレードスタイルによって適切な組み合わせが異なります。ただし、どのトレードスタイルでも上位足でトレンドを確認し、中位足で方向性を確認、下位足で具体的なエントリーポイントを探るという基本的な考え方は変わりません。
ここでは、トレードスタイル別の代表的な時間足の組み合わせを解説します。
トレードスタイル別マルチタイムフレーム分析の時間足
また、市場環境やトレード対象通貨ペアによっても、適切な時間足の組み合わせは変化する可能性があります。
自分のトレードスタイルに合った時間足の組み合わせを選択することが重要です。実際のトレードを重ねながら、自分に合った最適な組み合わせを見つけていきましょう。
長期トレンドはこれまで長くそのトレンドが維持されており、その流れに乗っているトレーダーも多いのです。当然、それだけ動く資金も大きいので、簡単には転換しません。長期トレンドはそのまま継続されると考えるのが合理的なのです。
マルチタイムフレーム分析でのエントリー・エグジット
マルチタイムフレーム分析では、複数の時間足でトレンドの方向性が一致した時にトレードを開始します。
具体的なエントリーポイントの基準は、トレンドラインや支持線・抵抗線を基準にすることが多いです。例えば、4時間足で下降トレンドを確認したら、その方向でのトレードチャンスを探ります。その後1時間足も下降トレンドで、さらに15分足が下落に転じ、重要な価格帯(直近安値など)を下抜けた時点で売りエントリーを検討します。
上位足には逆らわない
マルチタイムフレーム分析では上位足に逆らわないことが基本です。15分足で一時的な上昇があっても、4時間足の下降トレンドを優先して見送ります。
また、エグジット(決済)は、主に以下の基準で判断します。
エグジットの基準
- 下位時間足でトレンドが転換した場合
- 上位時間足の重要な価格帯に到達した場合
- トレンドラインや支持線・抵抗線の到達・ブレイク時
複数の時間軸でトレンドを確認し、上位時間足の方向性を重視することで、より精度の高いトレードが可能になります。
マルチタイムフレーム分析の基準
トレンドラインと支持線・抵抗線を活用したマルチタイムフレーム(MTF)分析によるトレード手法について解説します。
トレンドラインを基準にしたマルチタイムフレーム分析
トレンドラインを使用したマルチタイムフレーム分析では主に、上位時間枠(日足や4時間足)で主要なトレンドラインを確認し、中位時間枠へ移って価格動向をより詳細に観察します。最後に下位時間枠で、具体的なエントリーポイントを探ります。
トレンドを基準にしたマルチタイムフレーム分析
時間足 | 確認ポイント | トレード例 |
4時間足 | トレンドをチェック | 上昇トレンド確認→買いのチャンスのみを探す |
1時間足 | トレンドラインとの位置関係 | 価格がトレンドラインに接触→反発の可能性を探る |
15分足 | 具体的なエントリーポイント | トレンドラインからの複数回の反発確認→買いエントリー |
4時間足 | |
確認ポイント | トレンドをチェック |
トレード例 | 上昇トレンド確認→買いのチャンスのみを探す |
1時間足 | |
確認ポイント | トレンドラインとの位置関係 |
トレード例 | 反発 |
15分足 | |
確認ポイント | 具体的なエントリーポイント |
トレード例 | トレンドラインからの複数回の反発確認→買いエントリー |
実際のユーロドルのチャートで例を見てみましょう。まず、4時間足でトレンドラインを引いてみると、下降トレンドであることが確認できます。
1時間足を見ると、トレンドラインを終値ベースでブレイクしていることが確認できました。15分足でエントリータイミングを探ります。
トレンドラインで反発していることを確認して買いエントリーします。
支持線・抵抗線を基準にしたマルチタイムフレーム分析
支持線・抵抗線は、多くのトレーダーが注目する価格帯です。特に長期の時間足で市場参加者がより強く意識する水準となります。支持線と抵抗線を利用したトレードも、マルチタイムフレーム分析において非常に効果的となります。
これらの価格帯では大きな売買が集中しやすく、価格の転換点となりやすい特徴があるためです。主となる「ブレイクアウト」と「リバウンド」の2つのパターンのトレードを解説していきます。
ブレイクアウトでのマルチタイムフレーム分析
支持線・抵抗線を突破するということは、その価格帯での売り圧力や買い圧力を上回る力が働いていることを示します。特に上位の時間足でのブレイクアウトは大きなトレンド転換のシグナルと判断して、下位足でエントリータイミングを探ることが可能です。
ブレイクアウトでのマルチタイムフレーム分析
時間足 | 確認ポイント | トレード例 |
4時間足 | ブレイクアウトの確認 | 抵抗線を突破→上昇トレンドへの転換を探る |
1時間足 | ブレイクアウト後の 価格行動を確認 |
トレンドラインとの位置関係を確認。 突破した抵抗線が支持線として機能→上昇継続を確認 |
15分足 | 具体的な エントリーポイント |
新しい支持線からの反発を確認→買いエントリー |
4時間足 | |
確認ポイント | ブレイクアウトの確認 |
トレード例 | 抵抗線を突破→上昇トレンドへの転換を探る |
1時間足 | |
確認ポイント | ブレイクアウト後の価格行動を確認 |
トレード例 | トレンドラインとの位置関係を確認。突破した抵抗線が支持線として機能→上昇継続を確認 |
15分足 | |
確認ポイント | 具体的なエントリーポイント |
トレード例 | 新しい支持線からの反発を確認→買いエントリー |
実際にドル円チャートで例を見てみましょう。まず4時間足の直近の高値にトレンドラインを引いておきます。終値ベースで直近の高値を上回ったことを確認し、1時間足での分析に移ります。
1時間足では、突破した抵抗線が抵抗線となっていたため、15分足でエントリータイミングを図ります。
新しい支持線を大きく下回らず、高値を大きく更新したことをを確認し、買いエントリーします。
リバウンドでのマルチタイムフレーム分析
支持線・抵抗線からのリバウンド(跳ね返り)を利用する手法も有効です。例えば、4時間足で何度も抵抗線で跳ね返されているような状況では、価格がその水準を抜けない場合、価格が反転すると考えることができます。特に複数の時間足で同じ水準が意識される場合、反発が起きる可能性が高まります。
リバウンドでのマルチタイムフレーム分析
時間足 | 確認ポイント | トレード例 |
4時間足 | 主要な支持線・抵抗線の 位置確認 |
支持線で複数回の反発→バウンス狙いの買いチャンスを探す |
1時間足 | 支持線付近での 価格行動を確認 |
支持線での強い反発を確認→上昇トレンドの可能性を探る |
15分足 | 具体的な エントリーポイント |
同じ支持線で何度も反発している→上昇が続いていると考えて買いエントリーする |
4時間足 | |
確認ポイント | 主要な支持線・抵抗線の位置確認 |
トレード例 | 支持線で複数回の反発→バウンス狙いの買いチャンスを探す |
1時間足 | |
確認ポイント | 支持線付近での価格行動を確認 |
トレード例 | 支持線での強い反発を確認→上昇トレンドの可能性を探る |
15分足 | |
確認ポイント | 具体的なエントリーポイント |
トレード例 | 同じ支持線で何度も反発している→上昇が続いていると考えて買いエントリーする |
マルチタイムフレーム分析を含めた総合的なFX環境認識について知りたい方は以下の記事をご参照ください。
マルチタイムフレーム分析とインジケーターを組み合わせる
マルチタイムフレーム(MTF)分析は基本的にラインを用いたシンプルな手法です。しかし、より正確な分析のために、「移動平均線」や「ボリンジャーバンド」などのテクニカルインジケーターを併用することで、分析の精度を高めることができます。
マルチタイムフレーム分析で移動平均線とボリンジャーバンドを活用する方法について詳しく解説していきます。
マルチタイムフレーム分析と移動平均線
移動平均線はマルチタイムフレーム分析において重要な指標となります。主な活用方法として「トレンドの把握」、「価格の乖離度分析」があります。トレンドの把握は、移動平均線の傾きを見て行います。上昇トレンドであれば上向き、下降トレンドは下向きかで判断できます。
価格が移動平均線から大きく乖離している状態、すなわち移動平均線を大きく上回るか下回っている場合、「平均回帰」が発生しやすくなる傾向があります。この場合、価格は移動平均線の水準に向かう方向に戻る傾向があり、判断材料になります。
マルチタイムフレーム分析とボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、移動平均線を中心に、その上下に標準偏差を一定の倍率でとったバンド(帯)を表示するテクニカル指標の一つです。以下の状況が観察された場合、トレードシグナルとして捉えることができます。
ボリンジャーバンドの主な分析ポイント
バンドウォークではトレンドの強さを、拡散と収縮ではボラティリティの変化を読み取ることができます。また、バンドの拡散は大きな値動きの予兆となり、収縮は次の相場展開の準備段階を示唆します。
さらに、価格は「平均回帰」の性質があり最終的にミドルバンドに戻りやすいため、反転のタイミングを計る指標としても活用できます。
ボリンジャーバンドは相場の本質的な性質を視覚的に表現する指標として、トレンドの強さ、相場の勢い、反転のタイミングなど、複数の観点から相場分析に活用することができます。
マルチタイムフレーム分析で勝率を上げる方法
最後に、マルチタイムフレーム分析を用いて実際にトレードの勝率を向上させるための具体的な方法と、陥りやすい落とし穴について詳しく解説していきます。これらの要素を正しく理解し実践することで、より安定した取引が可能となります。
上位足の流れに逆らうエントリーをしない
「上位の時間軸の流れに逆らわない」ことが重要です。つまり、マルチタイムフレーム分析を用いる際に絶対にやってはいけないのは、上位のトレンドに逆らったエントリーです。
例えば、長期の足が下降トレンド中に、中期足と短期足が上昇トレンドの兆しが見えたとします。短期足のトレンド転換にいち早く乗ることができれば、「中長期でのトレンド転換の初動が獲れて大きな利益になる!」と欲をかきたくなる場面です。
しかし、全体としては下降トレンドのままなので、一呼吸も二呼吸も置いて考え直してしっかりと待つべきです。上位の足の流れに逆らうことでポジションの方向性がより明確で優位性のあるトレードが可能になります。
トレード数を増やしすぎない
マルチタイムフレーム分析の目的は、1回1回のトレードの期待値を高めることです。トレード機会を増やすよりも1回の利益を最大化するために行います。
FX取引では各エントリーにリスクが伴うため、無駄なトレードは避けるべきです。マルチタイムフレーム分析で定めたルールは必ず守り、「これくらいなら」という安易な判断でルールを曲げることは避けましょう。
例えば、上位足のトレンドに逆らったエントリーや、確認すべき時間足の分析を省略するといった妥協は、結果として大きな損失につながる可能性があります。
相場にはチャンスがない場面もあり、そういった時には無理にエントリーを探すのではなく、次の機会を待つことが賢明です。少ない取引回数でも、一つ一つの取引の質が高ければ、長期的には安定した利益を得ることができます。
リスク管理にもマルチタイムフレーム分析のルールを利用
マルチタイムフレーム分析は、リスク管理においても重要な役割を果たします。主に、ポジションサイズの決定とポジション保有の判断という2つの面で活用できます。
たとえ全ての時間足でトレンドが同じ方向を示していても、近くに重要な価格帯(長期の高値・安値など)がある場合は、大きな利益を狙いにくい状況です。このような場合、取引をするにしても取引ロット数を少なめに設定することで、リスクを抑えることができます。
また、ポジション保有の判断においては、短期の時間足で逆行の動きが出ても、より長い時間足でトレンドが継続している場合は、慌ててポジションを手放す必要はありません。
複数の時間軸で相場を確認することで、より冷静なリスク管理が可能になります。
マルチタイムフレーム分析によって、より客観的な視点からリスクを評価し、適切なポジションサイズを決めることができるようになります。
マルチタイムフレーム分析の過信に注意
マルチタイムフレーム分析は非常に効果的な手法ですが、マルチタイムフレーム分析のみに依存したエントリーは推奨できません。より高い精度を実現するためには、ブレイクアウト手法や移動平均線を使用した押し目買い、戻り売りなど、複数の分析手法を組み合わせて市場環境を総合的に判断することが重要です。
マルチタイムフレーム分析は、成功しているトレーダーにとって不可欠な手法である一方で、その本質は環境認識の基盤となる分析手法です。この分析を土台としつつ、ブレイクアウトやサポート・レジスタンスの反転など、自身の得意とする手法を組み合わせることで、トレード全体の精度を大幅に向上させることができます。
今日から始めるマルチタイムフレーム分析
マルチタイムフレーム(MTF)分析は、多くの成功しているトレーダーが実践している重要な手法です。この分析手法を自然に実行できるようになることで、トレードの期待値が向上し、より安定した利益を得られる可能性が高まります。
この手法を確実に習得するためには、過去のチャートを用いた継続的な検証と練習が不可欠です。理論的な理解だけでなく、実践的なスキルとして身につけることで、より効果的な取引が可能となります。
最初はシンプルな設定から始め、徐々に自分のトレードスタイルに合わせて時間軸を調整していくことで無理なく実践できます。ぜひマルチタイムフレーム分析を始めてみましょう。