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世界で強まる金融インフルエンサー規制とは?SNS投資勧誘とコピートレードのリスク

世界で強まる金融インフルエンサー規制とは?SNS投資勧誘とコピートレードのリスク

海外FX初心者

Updated最終更新:

近年、SNSで投資情報を発信するインフルエンサー、いわゆる「フィンフルエンサー」への規制が世界的に強まりつつあります。

フィンフルエンサーとは、金融を意味する「Finance」と、影響力を持つ人を指す「Influencer」を組み合わせた言葉です。一般的には、YouTube、X、Instagram、TikTokなどで、投資や資産運用に関する情報を発信する人を指します。

最近はSNSで手軽に投資に関する情報を得られるようになった一方で、派手な生活ぶりを見せて悪質な投資サービスへ誘導したり、「誰でも稼げる」「真似するだけで利益が出る」といった言葉で、コピートレードやハイリスクなサービスへ勧誘するケースが問題視されています。

実際に海外では、金融当局がフィンフルエンサーによる悪質な金融広告への取り締まりを強化しています。日本で同様の大規模規制が始まっているわけではありませんが、今後、SNS上の投資勧誘への監視が強まる可能性は十分にあります。

この記事では、海外で進むフィンフルエンサー規制の流れや日本への影響、トレーダーが注意すべきSNS上の投資勧誘、コピートレードのリスクについて解説します。

世界的に「フィンフルエンサー」への規制が強まりつつある

世界的に「フィンフルエンサー」への規制が強まりつつある

SNSでFXや株などの投資情報を集めることは、いまや一般的になりました。YouTubeやX、Instagram、TikTokなどから、株式投資やFX、仮想通貨などに関する情報を気軽に得られる時代です。

しかし、投資を学ぶ入り口が広がった一方で、SNS上の情報をきっかけに、十分な知識がないままハイリスクな商品や詐欺的なサービスへ誘導されるケースも目立つようになっています。

こうした背景から、各国の金融当局は、SNSで投資関連情報を発信する「フィンフルエンサー」への監視を強めています。


フィンフルエンサーとは何か

フィンフルエンサーとは、SNS上で投資や金融に関する情報を発信するインフルエンサーのことです。

金融庁も、証券監督者国際機構であるIOSCOの最終報告書を紹介するページで、フィンフルエンサーについて「一般的にソーシャルメディア上で投資関連コンテンツを提供する人」と説明しています。

発信される内容は、株式投資、FX、仮想通貨、投資信託、資産形成などさまざまです。初心者向けに投資の基礎を解説する投稿もあれば、相場分析、ファンダメンタルズ、資金管理について発信する投稿もあります。

もちろん、すべてのフィンフルエンサーが問題視されているわけではありません。投資初心者に向けて、FXの仕組みやリスクを分かりやすく伝えたり、相場との向き合い方を丁寧に説明したりする優良な発信者も多く存在しています。

IOSCO(証券監督者国際機構)

IOSCOとは、「証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions)」の略称です。世界各国・地域の証券監督当局などが参加する国際機関で、金融市場の公正性や透明性を高め、投資家を保護することを目的としています。各国の規制当局が連携しやすいよう、証券市場に関する国際的な原則や指針を示している点が特徴です。近年は、SNSで発信される投資情報や、フィンフルエンサーによる金融プロモーションについても調査・提言を行っています。


フィンフルエンサーによる詐欺被害が深刻に

近年、SNS上で投資情報を発信するフィンフルエンサーをきっかけに、軽度なものから深刻なものまで、個人がトラブルへ巻き込まれるケースが目立つようになってきています。

SNSでの代表的な被害例

  1. 派手な成果を見せつけてオンラインサロンに勧誘する
  2. 内容に見合わない高額な情報商材を販売する
  3. IB報酬目的で粗悪な自動売買(EA)を使わせる
  4. IB報酬目的のコピトレに勧誘する
  5. 出金できない詐欺業者へ誘導する

もちろん、これらのすべてが悪質というわけではありません。実際に、学習の参考になるオンラインサロンや情報商材、優秀なEAを提供する開発者も存在します。しかし一方で、こうした仕組みに便乗し、紹介報酬やIB報酬を得ることを目的に粗悪なサービスを提供する方が跡を絶ちません。

本当に悪質なケースは、インフルエンサーを装った人物や詐欺グループが、派手な利益実績や成功体験を見せながら、聞き慣れない海外FX業者へ入金させる手口です。こうしたケースでは、最初から利用者の資金を奪うことを目的としており、入金後に出金できなくなるなどの大きな被害につながっています。

そのため現在では、フィンフルエンサーによる投資情報の発信は、単なるSNS投稿としてではなく、個人投資家の判断に大きな影響を与えるとして、各国の金融当局から厳しく見られるようになっています。

世界17の規制当局がフィンフルエンサー規制を強化

フィンフルエンサーへの規制は、海外で本格的に強まりつつあります。特に英国では、金融規制当局であるFCAが中心となり、SNS上の違法な金融コンテンツへの対応を進めています。

SNSでは、発信者が海外にいても、言語が同じであれば別の国の投資家へ簡単に情報を届けられます。そのため、ひとつの国だけで規制しても、被害を防ぎきれません。

こうした背景から、各国の金融当局は連携を強め、リスク説明の不十分な投資広告や誤解を招くプロモーションへの監視を強化しています。


FCAは国際的なフィンフルエンサー対策を主導

英国のFCAは2026年4月、違法なフィンフルエンサーへの国際的な取り締まりを主導したと発表しました。この取り組みは2026年4月20日から始まり、世界17の規制当局が参加しています。

フィンフルエンサー規制への取り組み参加国

  1. 英国金融行動監視機構
  2. オーストラリア証券投資委員会
  3. ベルギー金融サービス・市場庁
  4. ブラジル、バロレス・モビリアリオス委員会
  5. カナダ、ブリティッシュコロンビア州証券委員会
  6. カナダ、オンタリオ証券委員会
  7. カナダ、ケベック州金融市場当局
  8. デンマーク金融監督庁
  9. 香港証券先物委員会
  10. インド証券取引委員会
  11. アイルランド中央銀行
  12. ニュージーランド金融市場庁
  13. ノルウェー、Finanstilsynet
  14. カタール金融市場庁
  15. カタール金融センター規制当局
  16. シンガポール金融管理局
  17. アラブ首長国連邦資本市場庁

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なお、FCAが公表した参加当局リストには、日本の金融庁や証券取引等監視委員会の名前は確認できません

ただし、この取り組みはまだ始まったばかりです。日本の金融庁もIOSCOのフィンフルエンサー報告書を紹介しており、この問題を把握していると考えられます。国際的にSNS上の投資勧誘への規制が進んでいる以上、日本でも今後、監視が強まる可能性は十分にあります。

ここのポイント

日本でも「情報流通プラットフォーム対処法」が施行され、違法性のある投稿やアカウントへの対応が進められています。FCAが主導する国際的な取り締まり活動には参加していないものの、今後参加する可能性や、日本独自の枠組みによって一層監視が厳しくなる可能性も考えられます。


すでにSNS投稿の削除要請や警告も行われている

FCAはすでに、SNS上で違法な金融広告を発信する個人や業者に対し、警告やアカウント削除要請などを行っています。2026年4月の国際的な取り締まりでは、無許可業者・個人に対する警告アラートの発出や、違法なフィンフルエンサー関連アカウントの削除要請も実施されました。

香港証券先物委員会(SFC)では、無許可で有料のTelegramグループを運営し、投資助言を行っていた人物に対して、6週間の禁錮刑が言い渡された事例もあります。

さらにアラブ首長国連邦では、金融・投資に関する推奨をデジタルメディアなどで発信する個人向けに、フィンフルエンサーライセンスの制度も導入されています。

こうした動きから分かるのは、規制当局の視線が金融機関や業者だけでなく、SNSで影響力を持つ個人にも向き始めているということです。

日本でも「ただ紹介しているだけ」「トレーダーとしての感想を話しているだけ」「詳しい話はLINEやDiscordでしているだけ」といった言い訳が、今後どこまで通用するかは分かりません。少なくとも海外では、発信者本人にも責任を問う流れが強まっています。


日本でもアフィリエイターや海外FX業者のXアカウントが続々凍結

日本でも、海外FX業者や関連アフィリエイターのSNS発信に対する目線は厳しくなっています。

2025年3月31日には、BigBoss(ビッグボス)、XS.com(エックスエス)、easyMarkets(イージーマーケット)など、複数の海外FX業者の日本語向けXアカウントが凍結されました。さらに、2025年6月下旬には、Vantage Trading(ヴァンテージ)やThreeTrader(スリートレーダー)などのXアカウントも、日本からのアクセス制限が確認されています。

加えて、海外FX業者だけでなく、海外FXに関する情報発信を行っていたインフルエンサーやアフィリエイターのアカウントも同時期に凍結されています。

凍結の具体的な基準は明らかにされていませんが、海外FX業者への誘導や、誤解を招く投資勧誘と見なされる発信が、規制対象になっている可能性があります。

コピートレードやミラートレードも規制上の注目テーマに

近年、フィンフルエンサー規制が強まっている背景には、SNS上のオンラインサロンや情報商材、投資勧誘だけでなく、コピートレードやミラートレードを使った悪質な投資トラブルが広がっていることもあります。

コピートレードとは、他のトレーダーの取引を自分の口座にも反映させる仕組みのことです。自分で相場を細かく分析しなくても、経験者や人気トレーダーの売買をまねできるため、初心者には魅力的に見えます。

しかし、誰かの取引をコピーしているだけでも、損失が出るのは自分の口座です。さらに悪質なケースでは、SNSで上手なトレーダーを装って利用者を集め、コピートレードに誘導したうえで、短期間に大きな損失を発生させるような事例も起きています。

そのため、コピートレードやミラートレードは、SNS勧誘やフィンフルエンサー規制とも深く関係するテーマとして、各国の金融当局から注目されています。


IOSCOはコピー取引やミラー取引にも注目している

IOSCOは2025年5月、フィンフルエンサー、オンライン模倣取引、デジタル上の投資行動に関する最終報告書を公表しました。これは、オンライン詐欺や過度なリスク、誤情報から個人投資家を守る取り組みの一部とされています。

ここでいうオンライン模倣取引には、コピートレード、ミラートレード、ソーシャルトレードなどが含まれます。つまり、誰かの取引をまねる仕組みそのものが、国際的にも注意して見られているということです。

特に問題になりやすいのは、SNSで影響力を持つ人物が、派手な利益画像や成功体験を見せながら、コピートレードや自動売買サービスへ誘導するケースです。「この人をコピーすれば稼げる」「初心者でも同じように利益を狙える」と思わせる宣伝は、投資経験が少ない人ほど魅力的に見えます。

しかし実際には、架空のFX業者や不透明な取引サービスへ誘導され、利益が出ているように見せかけられたあと、出金できなくなったり、大きな損失を出したように処理されたりする被害もあります。また、SNSやマッチングアプリをきっかけにしたロマンス詐欺型の投資勧誘でも、コピートレードサービスへ誘導されるケースがあります。

そのため、IOSCOはコピートレードやミラートレードを、フィンフルエンサー規制ともつながる重要なテーマとして取り上げています。

日本でもフィンフルエンサー被害が増加している

日本人が狙われたフィンフルエンサー被害例

日本でも、SNSやインフルエンサーの発信をきっかけに、海外FX業者や仮想通貨取引所へ誘導されるトラブルが起きています。よくある流れは、「有名な人が紹介しているから安心」「実績画像が出ているから稼げそう」と思わせて、海外FXへの入金やコピートレードに参加させるものです。

最初は利益が出ているように見えても、突然大きな損失が出たり、出金できなくなったりするケースがあります。ここでは、実際に起きたフィンフルエンサーに関連する詐欺事例を見ていきます。


AssassinFX|インフルエンサー主導のコピトレ詐欺

AssassinFX(アサシンエフエックス)は、SNS上でコピートレード案件として広がった海外FX業者です。2023年7月ごろ、コピートレード利用者の口座でほぼ同じタイミングに強制ロスカットが起きたとされ、多くの被害報告が出ました。

この件では、コピー元が異なるユーザーの口座で同時多発的にロスカットが発生し、コピー元のトレーダーのSNSアカウントが一斉に非公開・削除されたため、計画的な詐欺の疑いがあると指摘されています。

AssassinFXのケースで注目すべきなのは、複数の先出しトレーダーが関与していたとされる点です。彼らはSNS上で利益実績やポジション公開を行い、フォロワーに対してコピートレード参加を促していたとされています。

ところが、トラブル発生時には、それまで堅実な取引をしていたトレーダーたちが同じようなタイミングで無謀な取引を始め、結果的に利用者の口座が一斉にロスカットされました。

通常、優秀なトレーダーであれば、ロット管理や損切り管理を徹底するはずです。にもかかわらず、複数のコピー元が同じタイミングで大きな損失を出したのであれば、偶然の失敗というより、最初から利用者資金を失わせることを前提にした仕組みだったのではないか、という疑念が生まれます。


Amazing Tick|組織的なコピトレ詐欺疑惑

Amazing Tick(アメイジング ティック)も、コピートレードをめぐって大きな被害報告が出た海外FX業者です。2024年8月6日、AmazingTickのコピートレードユーザーの口座で大きな損失が発生し、複数のコピー元トレーダーが示し合わせたように損失を出したとして、SNS上で詐欺ではないかと話題になりました。

Amazing Tickのケースでは、通常よりも大きいロットで短時間に取引が行われ、資金の大半を失ったとされます。SNS上では1億円以上あったコピー元の口座残高が一気に0円付近まで減少した例や、1分前後で決済される取引が多かったことも投稿されています。

これまでの取引傾向と比べて不自然な動きだったため、単なる損失ではなく、計画性のある詐欺ではないかという疑念が強まりました。


FX Suit(FX Suits)|スワップ3すくみで不労所得

FX Suit(エフエックス スーツ)は、2020年ごろにアキラというインフルエンサーを中心にSNSで大きく話題になった海外FX業者の一つです。

FX Suitの特徴は、AssassinFX、Amazing Tickのようなコピートレード案件とは少し異なります。SNS上では、「スワップ3すくみ」という手法とセットで広まり、「ほぼ確実に利益を狙える」「低リスクでスワップ収益を得られる」といったニュアンスで紹介されていました。

スワップ狙いの手法は、相場の上下を当てる必要がないので初心者でも勝てるという触れ込みでフィンフルエンサーにとってはとても紹介しやすい内容です。しかも、発信者が実際に儲かっている発信をすれば、初心者でも儲けられると思い込んでしまいます。

しかし、海外FX業者が相対取引である以上、スプレッド拡大、スワップ条件の変更、約定環境の変化、出金ルールなどによって、いつでも利用者側の想定が崩れる可能性があります。FX Suitについては「半年以内の出金には30%の手数料が課せられる」といった特殊な出金条件も設けられており、トラブルが起きる前からすでに出金に関する懸念も指摘されていました。

その後、警鐘が鳴らされていたにもかかわらず、2020年10月ごろのスプレッドの異常拡大により、多くの利用者が強制ロスカットに至ったとの報告が相次ぎました。


著名人なりすまし型SNS投資詐欺

著名人なりすまし型のSNS投資詐欺は、近年特に被害が広がっている手口です。

この手口では、有名人、実業家、投資家、経済評論家などの名前や写真を無断で使ったアカウントをSNS上で作成し、興味を持った利用者をLINEなどの投資グループへ誘導します。グループ内では、「先生の指示通りに取引すれば勝てる」「参加者はみんな利益を出している」といった投稿が繰り返され、初心者でも簡単に稼げるように見せかけます。

しかし、実際には著名人本人とは無関係で、投資サイトやアプリ上の利益表示も信用できるものではありません。出金しようとすると、手数料や税金、保証金などの名目で追加の入金を求められ、最終的に連絡が取れなくなるケースもあります。

このように、最近ではフィンフルエンサー本人の発信だけでなく、著名人や投資家を装った偽アカウントも、個人投資家を危険な投資へ誘導する大きな入口になっているのです。

派手な投資勧誘や実態不明なコピートレードは慎重に

日本では、現時点で「フィンフルエンサー規制」という名称の大規模な新制度が始まっているわけではありません。しかし、金融庁はIOSCOのフィンフルエンサー報告書を公式に紹介しており、SNS上の投資情報発信が国際的な規制テーマになっていることは日本でも認識されています。

最近では海外FX関連のXアカウントが一斉に凍結されていることもあり、当局が監視も目を強めていることに間違いはありません。今後は、日本でもSNSを使った海外FXへの勧誘や、無登録の投資助言、実態不明なコピートレードへの誘導などに対する目線が厳しくなる可能性があります。

トレーダーとして大切なのは、SNSで見かけた儲け話をそのまま信じないことです。特に、派手な生活を見せて信用させる投稿、「誰でも稼げる」「真似するだけで利益」といった表現、運用者の実態が分からないコピートレードや自動売買には慎重になる必要があります。

SNSの投資情報を見るときは、「誰が、何の目的で、どの立場から発信しているのか」を確認し、利益だけでなくリスクの有無にも目を向けるようにしましょう。

海外FX初心者

Updated最終更新:
FXplus編集部
筆者:FXplus編集部

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