海外FXテクニカル分析
当記事は執筆時点の最新情報に基づいて発信しています。現在の最新情報とは異なる場合がありますので、最新情報は各ブローカーの公式WEBサイトよりご確認下さい。
クロス円とドルストレートは、一見するとよく似たFX通貨ペアですが、世界での取引量やレートの成り立ち、さらには値動きやボラティリティなどの特徴に違いがあります。
「クロス円」とは、ユーロ円やポンド円など円を含む通貨ペアです。一方で「ドルストレート」とは、ユーロドルやポンドドルなどの米ドルを含む通貨ペアです。「ドル円」はどちらの条件にも当てはまるように見えますが、米ドルを含むためドルストレートに分類されます。
インターバンク市場では、取引量の多くがドルストレートに集中しています。FX取引の中心となるのがドルストレートといえるでしょう。一方でクロス円は、理論的には関連するドルストレートのレートを掛け合わせて算出されます。米ドルを介する2つの通貨ペアの影響を受けやすく、値動きが複雑になりやすい特徴があります。
この記事では、クロス円とドルストレートの違いや、初心者にとってはどちらの通貨ペアが取引しやすいかを解説します。取引するFX通貨ペアで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
この記事の目次
ドルストレートの特徴
ドルストレートは、基軸通貨である米ドルを含み、為替取引の中心となる通貨ペアです。はじめは、ドルストレートの特徴から見ていきましょう。
ドルストレートは米ドルを含む通貨ペアのこと
世界で取引されている通貨ペアは数多くありますが、一般的に米ドル(USD)を含む通貨ペアは、全てドルストレートに分類されます。
主要なドルストレート通貨ペアは、以下の通りです。
主要ドルストレート通貨ペア一覧
- EURUSD(ユーロ / 米ドル)
- USDJPY(米ドル / 円)
- GBPUSD(ポンド / 米ドル)
- USDCAD(カナダドル / 米ドル)
- AUDUSD(豪ドル / 米ドル)
- USDCHF(米ドル / スイスフラン)
上記の主要ドルストレート通貨ペアは、多くの海外FX業者が取り扱っており、誰でも気軽にトレード可能です。
通貨ペアは、2つの通貨を続けて書く形で表されますが、「USD」が左側 / 右側のどちらに書かれてもドルストレートです。ただし、取引量が極めて少ない通貨ペアの場合は、米ドルを含んでいても、マイナー通貨ペアやエキゾチック通貨ペアと呼ばれる場合があります。
世界で取引されている通貨ペアの多くがドルストレート
米ドルは世界の基軸通貨であるため、ドルストレートはFXだけではなく、企業の決済や貿易などの実需面でも最も多く取引されます。そのため、インターバンク市場ではほとんどがドルストレートの取引となっています。
以下の表は、BIS(国際決済銀行)による 2022年の世界外国為替市場調査に基づいた、通貨ペアの取引額比率をまとめたものです。
| 通貨ペア | 取引額の比率 |
| EURUSD(ユーロ / 米ドル) | 22.7% |
| USDJPY(米ドル / 円) | 13.5% |
| GBPUSD(ポンド / 米ドル) | 9.5% |
| USDCNY(米ドル / 人民元) | 6.6% |
| USDCAD(米ドル / カナダドル) | 5.5% |
| AUDUSD(豪ドル / 米ドル) | 5.1% |
| USDCHF(米ドル / スイスフラン) | 3.9% |
| USDHKD(米ドル / 香港ドル) | 2.4% |
| USDSGD(米ドル / シンガポールドル) | 2.3% |
| EURGBP(ユーロ / ポンド) | 2.1% |
| USDKRW(米ドル / 韓国ウォン) | 1.7% |
| USDINR(米ドル / インドルピー) | 1.6% |
| USDMXN(米ドル / メキシコペソ) | 1.4% |
| EURJPY(ユーロ / 円) | 1.4% |
| EURUSD | 22.7% |
| USDJPY | 13.5% |
| GBPUSD | 9.5% |
| USDCNY | 6.6% |
| USDCAD | 5.5% |
| AUDUSD | 5.1% |
| USDCHF | 3.9% |
| USDHKD | 2.4% |
| USDSGD | 2.3% |
| EURGBP | 2.1% |
| USDKRW | 1.7% |
| USDINR | 1.6% |
| USDMXN | 1.4% |
| EURJPY | 1.4% |
調査データを見て分かるように、世界的に取引量の多い通貨ペアのほとんどがドルストレートとなっており、為替取引は米ドルを中心に行われているといっても過言ではありません。
一方でクロス円通貨ペアは、ユーロ円が1.4%と最も多く、日本人トレーダーに人気のポンド円は0.3%、豪ドル円は0.5%などとなっています。
ドルストレートの中でもランキング上位の主要通貨ペアでは、取引量が多く流動性が高いため、安定した値動きや、約定力の高さ、スプレッドの狭さなど、取引しやすい特徴があります。
米国の政治・経済指標発表の影響を受ける
ドルストレートを取引する上で忘れてはいけないのが、米国の政治・経済指標発表といったファンダメンタルズによる値動きです。米国の経済指標や要人発言、政策転換などは、多くの通貨ペアの値動きに影響を与えることがあります。
主要な経済指標発表・要人発言はあらかじめスケジュールが決まっているので、事前に確認しておくことで、予期しない値動きを避けたり、反対にチャンスを捉えられたりできるでしょう。
例えば海外FX業者のXMTrading(エックスエム)では、経済指標発表カレンダーを公式サイト内で掲載しています。さまざまな国の政治経済イベントについて、重要度ごとにフィルタリングして確認できますので、興味のある方はぜひ活用してみて下さい。
クロス円の特徴
FX通貨ペアの中には、ドルを含まない銘柄も存在します。こうした銘柄は一般に「クロス通貨(合成通貨)」と呼ばれており、「ユーロ円・ポンド円」などのクロス円もそのうちの1つです。他のクロス銘柄には、「ユーロクロス(ユーロポンドなど)」と呼ばれる通貨ペア群もあります。
ここからは、クロス円の特徴を詳しく見ていきましょう。
2つの通貨ペアによる「合成通貨」
クロス円などのクロス通貨は、「合成通貨」と呼ばれることがあります。なぜ「合成」かというと、クロス円は直接その銘柄が取引されるというよりも、理論的には関連するドルストレートを掛け合わせてレートが算出されているためです。
例えば、ポンド円のレートは以下のように算出されています。

もし、ポンドドルのレートが「1.30000」で、ドル円のレートが「110」だった場合、ポンド円のレートは理論的には「143」になります。
また取引においても、「ポンド円を買う」場合は、「ポンドドルを買う」+「ドル円を買う」という2つの取引の合成によって行われます。
実際には、取引量の多いクロス円(ユーロ円やポンド円など)は、インターバンク市場で直接取引される場合も多くあります。
クロス円は三角関係を意識する
クロス円を取引する場合は、関連するドルストレート銘柄の値動きに注目し、 三角関係を意識することで、取引のしやすさをある程度判断できます。
以下は、同じ期間のポンドドル(GBPUSD)、ポンド円(GBPJPY)、ドル円(USDJPY)のチャートです。

この時期は、ポンドドルは上昇基調、ドル円は下降基調になっているため、ポンド円の値動きはやや不安定になっていることが分かります。関連するドルストレートが合成されてレートが算出されることは、クロス円の大きな特徴といえます。
さらに、複数の通貨ペアを関連づけて分析する場合は、通貨強弱の考え方も持っておくことで、取引への理解をより深められるでしょう。
ボラティリティが大きくなりやすい
関連するドルストレートのトレンドが一致した場合、クロス円通貨ペアでは分かりやすいトレンドと大きなボラティリティが発生しやすくなります。
ボラティリティとは、金融商品の価格における変動率や変動性のことです。値動きの大きさを示す言葉として使われ、取引でのリスク把握に役立ちます。
以下は、ポンドドルドル円がいずれも上昇トレンドとなったときの、ポンド円チャートです。

ポンドドルもドル円も上昇トレンドとなっているとき、ポンド円も大きな上昇トレンドになりやすい傾向があります。上記の相場状況は、ポンドがドルよりも買われやすく、円がドルよりも売られやすい地合いとなっています。
また、今回の値動きでは、ポンド円のボラティリティが3つの通貨ペアの中で最も大きくなったことも注目すべきでしょう。元となっている2つのドルストレートよりもボラティリティが大きくなりやすいことは、クロス円の特徴です。
ドルストレートに比べてヒゲが多め
クロス円は、ドルストレートと比べて、ローソク足のヒゲがやや多くなりやすい特徴がありまう。理由としては、合成元となるドルストレートでヒゲが発生した場合、クロス円ではそれが増幅されて長いヒゲになりやすいことや、流動性が低いため大口注文が入った際にヒゲができやすいなどがあります。
クロス円・ドルストレートの違いによって使い分ける方法
一見すると違いが分かりにくいクロス円やドルストレートですが、価格の成り立ちやボラティリティなどには違いがあります。
ここからは、クロス円・ドルストレートの特徴を把握し、トレードで使い分ける方法を解説します。
FX初心者はドルストレート通貨ペアがおすすめ
FXを始めたばかりのトレーダーや学習中のトレーダーは、通貨ペアの主役であるドルストレートの取引がおすすめです。
ドルストレートが比較的取引しやすい理由は、以下の通りです。
ドルストレートが取引しやすい理由
特に、取引量の多いユーロドル・ドル円・ポンドドル、そしてカナダドル米ドル・豪ドル米ドルなどは、上記の特徴が当てはまりやすく、トレードしやすいでしょう。
クロス通貨のような元となる通貨ペアの分析が不要であり、「その通貨ペアだけ分析して取引できる」というシンプルさもトレードしやすさのポイントです。
ドルストレートを取引しやすい海外FX業者
ドルストレート通貨ペアを取引する場合は、XMTrading(エックスエム)がおすすめです。XMは、運営実績や日本語カスタマーサポート、さらに豊富なキャンペーンによって、初心者から経験者まで利用しやすい海外FX業者です。
XMには4つの口座タイプがあり、入金ボーナスに対応したスタンダード口座・マイクロ口座と、低スプレッド取引が可能なKIWAMI極口座・ゼロ口座となっています。トレードスタイルによって使い分けられますが、基本的にはスタンダード口座がおすすめでしょう。
またXMでは、全口座タイプで利用可能な口座開設ボーナスを提供しています。ボーナス額は通常は13,000円ですが、当サイト(FXplus)から新規口座開設した場合は、15,000円の口座開設ボーナスとゴールドステータスのW特典が付与されるため、大変お得です。ドルストレートでFX取引を行いたい方は、ぜひXMをご検討下さい。
クロス円はトレンドが揃った相場環境を狙う
クロス円には、相場分析の複雑さや、スプレッドが比較的広めなどのデメリットがあります。しかし、関連する2つのドルストレートのトレンドが一致したときなどは、分かりやすいトレンドや、爆発的なボラティリティが発生する場合があり、トレンドフォローにおすすめの通貨ペアになります。
以下は、ユーロ円の1時間足チャートに動いた値幅を表示させたものです。

比較的短い時間でも大きな値幅ができているため、デイトレードなどの短期的なトレードでも十分な利益が期待できるでしょう。
ただし、クロス円でトレンドフォローする際は、一般的に以下のような注意点があります。
クロス円トレンドフォローの注意点
クロス円を取引する際は、ドルストレートよりも確認すべき項目が多くなります。さらに、ボラティリティを考慮した資金管理が必要になることは、十分に把握が必要です。
クロス円を取引しやすい海外FX業者
TitanFX(タイタン FX)は、低スプレッドや約定力に優れた海外FX業者です。取引環境を重視する中・上級者に支持されているブローカーとして知られています。
Titan FXでは、10種類ものクロス円通貨ペアが取引可能であり、海外FXの中でも取扱数の多さトップクラスでしょう。
Titan FXで取引可能なクロス円通貨ペア
AUDJPY / CADJPY / CHFJPY / CNHJPY / EURJPY / GBPJPY / MXNJPY / NZDJPY / THBJPY / ZARJPY
さらにTitan FXでは、MT5の銘柄ウィンドウやMT4の通貨ペアリストで「FX Yen」という専用フォルダにクロス円が格納されており、クロス円を選んでトレードしやすいことも特徴です。
海外FXの中でも随一といわれる取引環境を利用したいトレーダーは、Titan FXを利用してみてはいかがでしょうか。
クロス円とドルストレートの特徴を知って、自分に合った銘柄を選ぼう
クロス円とドルストレートは、どちらも日本人に人気のFX通貨ペアです。しかし、クロス円の方は、関連するドルストレート通貨ペアの価格からレートができているため、取引の際に考慮すべき情報が多くなります。
基本的には、ユーロドル・ドル円・ポンドドルなどのドルストレートが取引しやすくおすすめですが、FX取引に慣れてきたら、ユーロ円やポンド円にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
海外FX業者ごとに提供しているサービスや強みは異なるので、取引の際はぜひ本記事や下記記事を参考に、利用するブローカーを探してみて下さい。




























































編集部の
コメント
ドルストレートは、基本的には1つの通貨ペアの分析のみでトレードが可能です。しかし、クロス円は元となるドルストレートの相場状況を確認したほうが、より安全性の高い取引ができます。ボラティリティの高さが魅力のクロス円ですが、取引の難易度はドルストレートと比較してやや高くなるため、中・上級者向きの通貨ペアといえるでしょう。