お名前.comのVPS不正アクセス|事件の経緯・対策・補償を解説

海外FX初心者
2026年10月20日、GMOが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」で不正プログラムが確認され、翌21日からVPSが順次停止されました。利用者からは、VPS上のMT4・MT5で使っていた取引口座で、身に覚えのない売買が行われたとの報告も寄せられています。
背景にあるのは、サービスのシステムに存在したセキュリティ上の問題です。第三者による不正アクセスと情報の持ち出しが確認されており、VPSから流出したID・パスワードが口座の不正操作に使われた可能性があります。EAを動かすための環境が、大切な取引資金を脅かす事態となりました。
利用していた方は、口座の資金保護と、被害を広げないための対応が急務です。問題のVPSでは取引を再開せず、安全な別端末で残高・取引履歴を確認し、出金可能な資金の退避とパスワードの変更を進めましょう。この記事では、発覚後の経緯と必要な対策、損失補償の対象・手続きを解説します。
この記事の目次
GMO「お名前.com デスクトップクラウド」の被害規模と発覚後の経緯
GMOインターネットが提供する 「お名前.com デスクトップクラウド」では、10月19日に利用者からの問い合わせを受けて調査が始まり、翌20日に不正プログラムが確認されました。その後、取引口座で身に覚えのない売買が報告され、利用者情報とされる内容の公開にまで発展しています。
EAを動かすために利用していたVPSから、大切な取引資金が脅かされる事態となった今回の事件。被害報告から補償の発表、その後の対応までを整理します。
被害報告と対応の時系列
不正取引の被害報告とGMOの対応
| 10月19 ~ 20日 | 利用者の問い合わせを受けて調査を開始。VPS内で不正プログラムを確認。 |
| 10月21日以降 | 利用者から不正な口座操作の報告がGMOへ寄せられる。21日午前4時からVPSを順次停止。 |
| 10月23日 | 実口座1,191件・約37.35億円とする第三者集計がXで公表される。 |
| 10月24日 | GMOが不正取引による損失の補償と、一律5,000円の見舞金を発表。 |
| 10月27日 | 利用者情報とされる内容の公開を確認。GMOが情報公開を対象とした特別見舞金を発表。 |
| 10月28日 | 攻撃者サイトのドメイン停止を確認。PC再利用前のスキャンとバックアップを案内。 |
| 10月29日 | GMOが、犯人の特定につながると考える情報を警察等へ提出すると発表。 |
| 10月19~20日 |
| 利用者の問い合わせを受けて調査を開始。VPS内で不正プログラムを確認。 |
| 10月21日以降 |
| 利用者から不正な口座操作の報告がGMOへ寄せられる。21日午前4時からVPSを順次停止。 |
| 10月23日 |
| 実口座1,191件・約37.35億円とする第三者集計がXで公表される。 |
| 10月24日 |
| GMOが不正取引による損失の補償と、一律5,000円の見舞金を発表。 |
| 10月27日 |
| 利用者情報とされる内容の公開を確認。GMOが情報公開を対象とした特別見舞金を発表。 |
| 10月28日 |
| 攻撃者サイトのドメイン停止を確認。PC再利用前のスキャンとバックアップを案内。 |
| 10月29日 |
| GMOが、犯人の特定につながると考える情報を警察等へ提出すると発表。 |
今回、トレーダーに大きな衝撃を与えたのは、VPSの停止だけでなく、取引口座で意図しない売買が行われ、資金が失われたことです。10月23日には、実口座分で約37.35億円とする第三者集計も公表されました。
GMOは翌24日に損失補償を発表しましたが、その後は利用者のものとされる個人情報も公開されました。口座の資金を守る対応に加え、流出情報を悪用した不審な連絡など、二次被害にも注意が必要です。
10月28日に攻撃者サイトのドメイン停止が確認されたことは、一つの進展といえるでしょう。ただし、サイトが停止しても、持ち出された情報が削除されたとは限りません。自分の情報が含まれているか気になっても、攻撃者側のサイトへアクセスせず、GMOからの個別連絡や正規の相談窓口で確認を進めてください。
攻撃者のサイトへアクセスしない
自分の情報が公開されていないか気になるところですが、攻撃者側のサイトへのアクセスや、掲載情報・URLの拡散は控えてください。GMOは、本人の情報が含まれていると確認できた場合、対象者へ個別に連絡する方針です。不審なリンクを開かず、GMOからの案内を待ちましょう。
GMO「お名前.com デスクトップクラウド」利用者が今やるべき3つの対策
身に覚えのない取引が見当たらなくても、対象VPSで使っていた口座のログイン情報は見直しておきましょう。VPSを解約済みでも、当時と同じパスワードを使っている場合は変更が必要です。
まずは、取引パスワードを変更し、問題のVPSから再ログインしないことを優先してください。残高や保有ポジション、予約注文の確認は、安全な別のPCやスマートフォンから進めましょう。
MT4・MT5の取引パスワードを変更する
対象VPSで使用していた口座のマスターパスワード(売買用)を、安全な別端末から変更します。複数の口座でログインしていた場合は、それぞれ変更してください。閲覧専用の投資家パスワードを変えるだけでは、不正な売買への対策になりません。
FX業者の会員ページや登録メールなどでも同じパスワードを使っている場合は、あわせて変更しましょう。変更後のパスワードは、問題のVPSへ入力・保存しないようにしてください。
なお、パスワード変更時に、すでにログインしている端末の接続も切断されるかは、FX業者によって異なります。利用中の業者の案内を確認し、接続が残る場合は、サポートへ切断方法を相談しましょう。
VPSが停止しても、保有ポジションや予約注文が自動で解消されるわけではありません。設定済みのSL(損切り)・TP(利確)はFX業者のサーバーで処理されますが、停止した端末上のEAによる決済や、標準のトレーリングストップの更新は実行されません。安全な別端末で口座の状態を確認し、必要に応じて注文を見直しましょう。
VPSを使わずに口座の状態を確認する
口座の確認や取引の再開は、問題が起きたVPSを使わず、安全な別のPCやスマートフォンから行いましょう。EAの運用を再開する場合も、安全性を確認した別環境を用意してください。
新しいパスワードを旧環境へ入力・保存すると、再び認証情報を取得されるおそれがあります。パスワードを変更した後も、問題のVPSからは再ログインしないでください。
残高や取引履歴に加え、身に覚えのない保有ポジションや予約注文がないか確認し、不審な取引が見つかった場合はFX業者へ連絡してください。
口座IDまで変える必要はある?
まずは売買用パスワードを変更し、変更前の接続が残っていないか確認することが基本です。追加口座への移行まで一律に行う必要はありません。被害が疑われる口座は、補償手続きで取引状況を確認できるよう、閉鎖せず残しておきましょう。
補償に備え、口座を閉鎖せず残しておく
不正アクセスの被害が疑われる口座は、パスワードを変更したうえで閉鎖せず、取引履歴を確認できる状態で残しておきましょう。GMOは、MT4・MT5の閲覧専用パスワードなどを通じて取引履歴を確認すると発表しています。
なお、10月28日時点でGMOが預かったPCの解析では、マルウェア感染やランサムウェア攻撃の痕跡は確認されていませんが、PCの再利用に不安がある方は使用前にセキュリティスキャンを実施し、大切なデータのバックアップも取っておきましょう。
GMOインターネットの損失補償と見舞金の対象・手続き
お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスによる影響で損失が出ている方にとって、補償を受けられるかは切実な問題です。ただ、損失補償と2種類の見舞金は、それぞれ対象も条件も違います。自分がどれに当てはまるか、案内の日程と併せて確認しておきましょう。
損失補償・見舞金・特別見舞金の違い
GMOが発表した補償内容
| 不正取引の損失補償 | GMOが本件による不正取引と認めた実現損失。取引差損・手数料等が対象で、市場変動による損失や逸失利益などは対象外。 |
| 一律の見舞金 | サービスを利用中の全契約者に5,000円。金銭的被害の有無は問わない。 |
| 特別見舞金 | 本人情報の公開をGMOが確認した場合。基本情報1万円、金融・認証情報1万5,000円、機微情報等2万5,000円。複数区分は合算し、1公開につき上限300万円。 |
| 不正取引の損失補償 |
| GMOが本件による不正取引と認めた実現損失。取引差損・手数料等が対象で、市場変動による損失や逸失利益などは対象外。 |
| 一律の見舞金 |
| サービスを利用中の全契約者に5,000円。金銭的被害の有無は問わない。 |
| 特別見舞金 |
| 本人情報の公開をGMOが確認した場合。基本情報1万円、金融・認証情報1万5,000円、機微情報等2万5,000円。複数区分は合算し、1公開につき上限300万円。 |
上記のように、第三者が無断で出した注文の決済損は、GMOが本件の不正取引と認めれば補償対象です。EA停止中の含み損や、運用できずに逃した利益まで一律に補償されるわけではありません。また、FX業者からの返金分は差し引かれ、業者が返金しない場合も認定された損失はGMOが支払う方針です。
なお、特別見舞金の上限300万円は、一律の支給額ではありません。このほか、希望者への代替サービスの6か月間無償提供や、ランサムウェア被害を確認した場合に同等性能のPCを提供する支援方針も示されています。
案内日程を確認して申請に備える
不正取引による損失補償の申請方法・必要書類・受付期間・支払時期は、11月6日までに案内される予定です。被害を受けた口座はパスワードを変更したうえで残し、案内に沿って手続きを進めましょう。
一方、FX業者側で損失を補填する動きも出ています。補償の対象や範囲は業者によって異なるため、利用中の業者の対応も確認しておきたいところです。
10月30日時点の補償方針
| 業者名 | 補償方針 |
| XMTrading | 補償無し |
| Exness | |
| BigBoss | MASS口座含め補償 + お見舞金 |
| TradeView | 全額返還の利用者報告あり |
| DPrime |
| DecordFX | 一部補填の利用者報告あり |
| IS6FX | 補填実施を発表 |
| EdgeGraph FX | 補填を含む個別対応を表明 |
| MYFX Markets | GMOの補償を案内 |
| OANDA証券 | |
| 外為ファイネスト | |
| デューカスコピー・ジャパン | |
| FXTF | |
| アヴァトレード・ジャパン | |
| TitanFX |
注意喚起メールあり
補償方針は確認できず |
| Vantage Trading | |
| FXGT | |
| IronFX | |
| ThreeTrader | |
| HFM | |
| Ultima Markets | |
| その他 | 公開情報なし |
| XMTrading | 補償無し |
| Exness | |
| BigBoss | MASS口座含め補償 + お見舞金 |
| TradeView | 全額返還利用者報告あり |
| DPrime |
| DecordFX | 一部補填利用者報告あり |
| IS6FX | 補填実施を発表 |
| EdgeGraph FX | 補填を含む個別対応表明 |
| MYFX Markets | GMOの補償案内 |
| OANDA証券 | |
| 外為ファイネスト | |
| デューカスコピー・ジャパン | |
| FXTF | |
| アヴァトレード・ジャパン | |
| TitanFX |
注意喚起メールあり
補償方針は確認できず |
| Vantage Trading | |
| FXGT | |
| IronFX | |
| ThreeTrader | |
| HFM | |
| Ultima Markets | |
| その他 | 公開情報なし |
海外FXでは、Tradeview(トレードビュー)で損失が全額戻ったとの報告や、DecodeFX(デコードエフエックス)で一部補填を受けたとの報告が出ています。IS6FX(アイエスシックスエフエックス)も、不正取引と確認した対象取引について、損失補填と取引履歴の修正を実施しました。資金を失った利用者にとって、口座残高の回復は運用の立て直しにつながる大きな支えとなるでしょう。
BigBoss(ビッグボス)は、MASS口座でコピートレードを利用していた方の被害についても、クレジットボーナスを含めた全額補償を発表しています。対象をVPSの直接利用者だけに限っていない点は、注目したい対応です。
さらに、損失補償の手続きとは別に、対象取引の損失額の10%相当の現金と、消失したクレジットボーナス全額を見舞金として付与すると発表しました。11月2日12時頃から順次、対象口座へ反映される予定です。
FX業者から返金を受けられない場合も、GMOが今回の不正アクセスによる不正取引と認めた損失は、補償の対象となります。業者から補償を断られたことだけで諦める必要はありません。なお、FX業者から返金された分は、GMOの補償額から差し引かれます。
また、混乱に乗じた「返金を受けるには手数料が必要」といった詐欺にも注意しましょう。不審な相手に送金したり、売買用パスワードや認証コードを渡したりせず、各社の正規窓口から手続きを進めてください。
取引再開前に見直したい不正ログイン防止策
EAの運用を再開する際は、新しいパスワードを、安全性が確認できていないVPSへ入力しないことが大切です。MT4・MT5を削除しても、VPS全体の安全が確保されるわけではありません。必要に応じて環境を再構築するか、別のVPSへの移行を検討しましょう。
VPS提供元のIP制限と二段階認証を活用する
VPSへの不正ログイン対策として、まず検討したいのが接続元のIPアドレスを限定する「IP制限」です。提供元が対応している場合は、管理画面から許可するIPアドレスを登録・変更できる機能を活用しましょう。
ただし、自宅回線などのIPアドレスが変わると、自分も接続できなくなる場合があります。設定前に、リモートデスクトップへ接続できなくても、提供元の管理画面やコンソールから制限を解除する方法を確認しておくと安心です。Windows Firewallで直接制限する場合も、接続できなくなった際の復旧手段を確保しておきましょう。
あわせて、FX業者の会員ページや登録メールに二段階認証を設定します。VPSへの接続も、提供元が対応していれば二段階認証やVPNで保護できます。RDPのネットワークレベル認証(NLA)を有効にし、不要なドライブ・クリップボード共有を無効にすることも、環境を見直す際のポイントです。
なお、会員ページの二段階認証だけで、MT4・MT5への不正ログインまで防げるとは限りません。会員ページと取引口座では認証の仕組みが異なるため、不安な場合はMT4・MT5のログイン情報の変更を徹底しましょう。
不正ログイン防止ツールの役割と注意点
VPSのセキュリティを強化する方法として、不審なログイン試行を監視するツールや、二段階認証を追加するサービスもあります。それぞれ役割が異なるため、利用するVPSの環境や、強化したい対策に合わせて検討しましょう。
監視ツールの主な役割
| RdpGuard | ログインに繰り返し失敗するIPアドレスを自動で遮断 |
| IPBan | 認証ログなどを監視し、設定した条件に該当するIPアドレスを遮断 |
| Cisco Duo (Windows Logon) |
Windowsやリモートデスクトップへのログインに二段階認証を追加 |
| RdpGuard |
| ログインに繰り返し失敗するIPアドレスを自動で遮断 |
| IPBan |
| 認証ログなどを監視し、設定した条件に該当するIPアドレスを遮断 |
| Cisco Duo(Windows Logon) |
| Windowsやリモートデスクトップへのログインに二段階認証を追加 |
導入前には、対応OSや料金に加え、VPS提供元がインストールを認めているか確認してください。二段階認証を追加する場合は、スマートフォンの紛失などで認証できなくなった際の復旧方法も押さえておきましょう。
ただし、ログイン失敗を監視するツールは、流出した正しいパスワードによる侵入を防ぐものではありません。VPS提供元の管理基盤への攻撃まで防げるわけでもないため、ツールの導入だけで安心せず、IP制限や認証の強化、OS・ソフトウェアの更新と組み合わせて活用することが大切です。
資金と口座を守って安全な環境で取引再開へ
今回の不正アクセスで優先したいのは、取引口座の売買用パスワードを変更し、問題のVPSから再ログインしないことです。安全な別端末から残高や保有ポジション、予約注文を確認し、変更前の接続が残らないかも利用中のFX業者の案内に沿って確認しましょう。
被害が疑われる口座は、パスワードを変更したうえで閉鎖せず残しておきましょう。FX業者による補填の対象や、GMOの補償手続きを確認し、案内に沿って申請を進めてください。
大切な資金を預けているだけに、すぐに運用を再開するのは不安もあるでしょう。まずは口座の保護を済ませ、再開時には安全性を確認した別環境でEAの設定や保有ポジションを点検することが、落ち着いて取引を再開するための第一歩です。
海外FX初心者

海外FXをご利用するにあたり、最新の海外FX人気ランキングや、海外FX業者の無料口座開設代行など、海外FXの初心者でも安心してご利用頂けるコンテンツを提供しています。
FXplusでは、記事に関するご意見・ご感想を受け付けています。
海外FXに関するレアな情報や業界関係者の内部情報などは、ぜひ編集部までお寄せください。
また、定期的に記事を執筆頂けるライターさんも随時募集しています!
問い合わせ先:support@fxplus.com
(大文字@を小文字に変えて送信してください)
当社の「海外FXの基礎知識」に掲載の情報は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
なお、この情報は、編集時点で当社が信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社(FXplus)が独自に制作したものであり、当サイトに掲載されているデータの無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、当社までご連絡ください。
コラム・ブログ
海外FXの特集記事
当サイト限定
開催中のキャンペーン情報





















































